ブルー・ベルベット

ブルー・ベルベット 

Blue Velvet

ブリリアントな悪夢 さまにセンセーション・・・

1987年5月2日-1987年7月10日

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作品概要

耽美と頽廃の世紀末的世界


赤いバラ、白いフェンス、青い空。絵葉書のようなアメリカの典型的な田舎町ランバートン。そんなのどかな町で、芝生に水をやっていた男が突然発作に襲われて倒れ、ホースからほとばしる水を犬が飲む。家では妻がTVの犯罪ドラマに夢中で、外の出来事に気付いていない。
デビッド・リンチ監督・脚本の本作は、テクニカルカラーの明るい場面から一転して、異様で奇妙な世界へ移っていく。カメラが草の間に入っていき、地面で虫たちがすさまじい生存競争を繰りひろげている様を写し出す。大学生の息子ジェフリーは病院に父を見舞うが、父は身体中に医療器具をつけられしゃべることも出来ない。その帰り道、人間の耳を見つけ、それを警察に届けたことから、ジェフリーは犯罪と暴力、セックスとSMの世界へと足を踏み入れる。
ロマンチックな夢を抱く高校生のサンディ、憂いを帯びたキャバレーの歌手ドロシー、彼女をサディスティックに責めたてるフランク。ジェフリーは彼らとかかわりを持つことで人生が変わっていく。耳の持ち主はどうなったか?という謎からストーリーは展開するが、ハリウッド流のスリラーの公式とは全く違った、リンチらしいダークで異常なサイキック・スリラーに仕上がっている。

鬼才デビッド・リンチの最高傑作!

世界中の映画祭でタイトルを獲得した本作「ブルー・ベルベット」は、興行的にも本国アメリカで公開されるや、アート・フィルムとしては画期的な800万ドルに達する大ヒットを記録している。これは世界中が、デビッド・リンチを人気、実力ともにナンバー・ワン監督として認めたことに他ならない。
画家を志し、今でも抽象画を描いているリンチは、ビジュアルを重視した映画作りを行っている。デビュー作「イレイザーヘッド」でも見られたストレンジ・ピープルへの執着、主人公の社会に対する冷徹な眼、不思議な印象を抱かせずにはおかない構図がより洗練された形で表現されている。前作の「砂の惑星」長大なベストセラーの映画化で、ダイジェスト的な構成をとらざるを得なかったことを反省し、今回は自分のアイディアに基づいた特異な世界を構築。観客の深層心理に激しく働きかける作品となっている。

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スタッフ・キャスト

監督+脚本:デビッド・リンチ
製作総指揮:リチャード・ロス
撮影:フレデリック・エルムズ
プロダクション・デザイナー:パトリシア・ノリス
音楽:アンジェロ・バダラメンティ

キャスト:カイル・マクラクラン/イザベラ・ロッセリーニ/デニス・ホッパー/ローラ・ダーン/ポープ・ラング/ディーン・ストックウェル

1986年/アメリカ/カラー/121分/ドルビーステレオ
原語:英語


配給:松竹富士株式会社

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