ストーミー・ウェザー

ストーミー・ウェザー 

STORMY WEATHER

トップ・スターによる空前絶後の歌と演奏、ダンスにタップ!
ブラック・エンタテインメントの極致がここにある!

1988年12月3日-1988年12月16日

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作品概要

超一流のブラック・エンターテイナー、ジャズメンたちを大集合させた
オール・ブラック・キャスト・ミュージカル名篇
野口久光

『ストーミー・ウェザー』は第2次世界大戦中の1944年(昭和18年)、20世紀フォックス社が製作したオール・ブラック・キャストの異色のミュージカル映画で、ファンの間では長年話題となっていた幻の映画である。
敗戦後間もなく、日本でもアメリカ映画が続々と公開されはじめたが、この映画は公開中止になったままこんにちに至っている。
それもその筈、第2次世界大戦とともに応召したアメリカの黒人兵に対する慰問映画を兼ねて作られたこの映画は、アメリカが舞台でありながら白人がひとりも出れこないといういささか不自然な映画であるため、当時の占領政策に相応しくないと判断され上映中止となったようである。
1950年代、とくにアメリカ南部では、黒人俳優が召使い役や靴磨きの端役以上の大きな役で出るような映画はその場面を州の命令でカットしたり、興行者が外したりするしきたりさえあった。そんなわけでハリウッドでは黒人が主人公や重要な役を演じる作品をほとんど作っていなかったのだった。
ところが第2次世界大戦という総力戦に直面したアメリカは兵隊としての黒人を平等に待遇せざるを得なくなっていた。戦時下のハリウッドでは、戦地や基地などの米兵慰問を兼ねた作品が数多く作られていたが、『ストーミー・ウェザー』は、とくに黒人兵へのサービスを目的に作られた数少ない作品としてまことに貴重なものといえよう。またこれほど黒人の超一流エンタテイナーが作品で顔を合わせたハリウッド映画は同年のMGMが製作した『キャビン・イン・ザ・スカイ』の他には前にもその後にも作られていない。
主な出演スターの顔ぶれを要約すると━
リーナ・ホーンはジャズ、ポピュラーにまたがる人気歌手。黒人としてはじめてハリウッドの大会社(MGM)の専属スターに迎えられ、ブロードウェイ・ミュージカルの主役をつとめたこともある。
ビル・ロビンソンは黒人タップ・ダンサーの大先駆者としてコットン・クラブでのショウやブロードウェイのレビューに出演したこれまたスーパースター。
キャブ・キャロウェイは歌いかつ踊りまくってバンドを指揮するこれまたグレイト・エンターテイナー、今年の暮には来日する。
ヒット曲「エイント・ミスビヘイヴィン」を歌ってくれるファッツ・ウォーラーは、スケールの大きいヴォードヴィリアン的芸風と数々の名曲の作曲者として有名である。
『ストーミー・ウェザー』のバレエ・シーンで舞踏団を率いて踊るキャサリン・ダナムは黒人モダン・バレエの草分け的リーダーで、1950年代にバレエ団を率いて来日したことがある。
メンフィスのクラブでゴキゲンなブルースを歌うエイダ・ブラウンは黒人の間ではよく知られたブルース・シンガー。
アクロバティック・ダンスの名コンビ、ニコラス・ブラザーズはビング・クロスビーの主演映画やグレン・ミラー楽団の『銀嶺セレナーデ』(1941)などにも出演した兄弟チームで、今も健在である。
このほか、船上で演奏とコミカルな踊りをみせるウォッシュボード・バンド“ザ・トランプ・バンド”やゲイブ役のドゥーリー・ウィルソン(映画『カサブランカ』でピアノ弾きの役をやった)ほか名前の明らかでない歌手芸人が多数出演している。
監督のアンドリュー・ストーンは『オペレッタの王様』(1939)、『ニューヨークの饗宴』(1944)、『ノルウェイの歌』(1971)などのニュージカル映画を数多く手掛けた中堅。

●あらすじ
1917年、ヨーロッパ戦線から帰ったビル・ウィリアムソン二等兵(ビル・ロビンソン)はナイトクラブで出会った、セリーナ(リーナ・ホーン)に一目惚れ。が、文無しのビルに売れっ子の歌手のセリーナは高嶺の花。
メンフィスに渡ったビルは、エイダの店でウェイターの職につく。そこではファッツ・ウォーラーと彼のバンドが毎晩演奏している。
ある晩、歌手のチック・ベイリー(ベイブ・ウォーレス)がセリーナたち仲間を連れてエイダの店にやってきた。チックはシカゴのショーのためにファッツとエイダを雇ったが、セリーナの勧めで渋々ビルも雇う。
シカゴでのショウ。チックが歌うバックで、ビルは太鼓の上でタップを踊って大ウケ。怒ったチックにクビにされ、ビルはセリーナを連れてニューヨークでショウを開いて当たり。華々しい成功のあと、ビルはハリウッドから誘いを受けたが、セリーナはステージを捨てられなかった。二人は別々の道を歩む。
月日がたち、1943年。ふとり暮らしのビルをキャブ・キャロウェイが訪れる。キャブに誘われて出演した、兵士の慰問のショーにセリーナの姿があった。再会をとげた二人は、今度こそめでたくハッピー・エンド。

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スタッフ・キャスト

監督:アンドリュー・ストーン
製作:ウィリアム・ル・バロン
脚本:フレデリック・ジャクソン/テッド・ケーラー
脚色:H・S・クラフト
原作:ジェリー・ホーウィン/シーモア・B・ロビンソン
撮影監督:レオン・シャムロイ
美術:ジェイムス・バセヴィー/ジョセフ・C・ライト
音楽監督:エミール・ニューマン/ベニー・カーター
振付:クラレンス・ロビンソン
衣装:ヘレン・ロウズ

キャスト:リーナ・ホーン/ビル・ロビンソン/キャブ・キャロウェイ/ファッツ・ウォーラー/キャサリン・ダナムと彼女の一座

1943年/アメリカ/白黒/78分/35ミリ
原語:英語

協賛:日本たばこ
配給:ユーロスペース

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