僕のスウィング

僕のスウィング 

swing

小さな恋の夏休み

2003年1月18日-2003年2月28日

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作品概要

トニー・ガトリフ監督の最新作、
ジャンゴ・ラインハルトが生んだ陽気な音楽“マヌーシュ・スウィング”にのせて瑞々しく描いた
ひと夏の小さな恋の物語。

★『ガッジョ・ディーロ』『ベンゴ』のトニー・ガトリフが描く、ひと夏の小さな恋の物語

ひと夏の小さな恋の物語『僕のスウィング』は、『ガッジョ・ディーロ』『ベンゴ』と失われつつあるロマ文化に関わる作品を撮り続けてきたトニー・ガトリフ監督の最新作である。子供から少女へと成長するほんの一時に放たれる両性具有のような不思議な魅力を持つロマの娘スウィングとギターによって音楽への好奇心の扉を開き、と同時に新しい世界を全身で受け止めたくましく成長していく10歳の少年マックス。トニー・ガトリフ監督は、シネマスコープの画面いっぱいに輝く2人のキラキラとした小さな恋のときめきを、ジャンゴ・ラインハルトが生んだ陽気な音楽 “マヌーシュ・スウィング”にのせて瑞々しく描きだした。本作は2002年ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品された。

★そばかす顔の少年マックスと黒い大きな瞳のスウィング

夏休みにストラスブール郊外の裕福な地区に住む祖母の家に預けられた10歳の少年マックスがマヌーシュ・スウィングに魅了されたのは、ジプシー・ギターの名手ミラルドの演奏を初めて耳にして以来のこと。ある日、古いギターを買いにミラルドや仲間のマヌーシュが暮らす地区に出かけたマックスに、彼のウォークマンと引き換えに粗悪な中古ギターを押しつけたのは、黒い大きな瞳を持つ少年の様な娘スウィングだった。ギターを習いに毎日のようにミラルドのトレーラーに通うマックスは、すぐに音楽に囲まれた陽気で自由なマヌーシュの世界に魅了されていく。さらにスウィングは、マックスを胸がドキドキ、ワクワクするようないたずらや冒険の世界に誘いこむ。誰も入れない秘密の川、ハリネズミの住む森、ギターを抱えて走った抜け道、蓄音機をのせて力いっぱい漕いだ小さな舟、好きな人の夢を見るという黄色い花のおまじない、2人だけの秘密の合図。そして夏の終わりと共に、小さな恋には、小さなさよならが訪れる・・・。

※マヌーシュ:フランス中部以北からベルギー、オランダなどに暮らす
ロマ(ジプシー)の通称。

★ジプシー音楽とマヌーシュ・ジャズの融合“マヌーシュ・スウィング”

トニー・ガトリフ監督の作品には、いつも魂を揺さぶるジプシー音楽が流れている。
『ガッジョ・ディーロ』ではルーマニア・バルカン音楽を、『ベンゴ』ではアンダルシア・フラメンコを、そして新作『僕のスウィング』ではジプシー音楽とマヌーシュ・ジャズが融合されたマヌーシュ・スウィングを思いっきり陽気に響かせる。“マヌーシュ・スウィング”は、あの世界的に有名なジャズ・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトが生んだ音楽である。01年に公開されたウディ・アレン監督の『ギター弾きの恋』でショーン・ペンが演じた不器用な天才ジプシー・ギタリスト役は、ジャンゴ・ラインハルトがモデルとなっていたのが記憶に新しい。

★ジャンゴ・ラインハルトの後継者チャボロ・シュミットが心と耳で奏でるギターの音色

ミラルド役のチャボロ・シュミットの神業的なギターさばきを目にした瞬間、誰もがマヌーシュ・スウィングの虜になるだろう。当初、ガトリフ監督は、ジャンゴの息子、バビック・ラインハルトと一緒に企画をすすめていたが、バビックの死去により、ジャンゴの第一後継者であるチャボロ・シュミットに映画の出演を頼む。
世界的に有名なギタリストでありながら、チャボロの生活は映画の中のミラルドと変わらない。チャボロは「私たちが演奏しているのは楽譜の音楽ではなく、心と耳の音楽なのだ」と語る。ガトリフ監督は、生活のすべての中から紡ぎだされるチャボロの音楽を忠実にスクリーンに反映し、マヌーシュ・スウィングの息吹を伝える。『僕のスウィング』が公開されたヨーロッパ各地では、チャボロ・シュミットのコンサートが行われ、マヌーシュ・スウィングが世界中で脚光を浴びている。

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スタッフ・キャスト

監督+脚本:トニー・ガトリフ
撮影:クロード・ガルニエ
編集:モニック・ダルトンヌ
音楽:マンディーノ・ラインハルト/チャボロ・シュミット/トニー・ガトリフ

キャスト:オスカー・コップ/ルー・レッシュ/チャボロ・シュミット/マンディーノ・ラインハルト
/ファヴィエーヌ・マイ/ベン・ズィメット

2002年/フランス/シネマスコープ/ドルビーデジタル/カラー/90分
原語:フランス語
字幕:石田泰子

宣伝:日活
配給:日活

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